この領域の広大さは人間が理解できる範囲を超えており、小石ひとつ・葉っぱ一枚に至るまで魔力が見てとれる。各領域の中央はこの魔力が抑えられているが、果てに向かうほど魔法が満ちており、冗談で放った呪いの言葉で死んでしまったり、軽く腕を振っただけで破壊エネルギーの矢を放ってしまったりする。領域は8つに分かれており、魔法の門(レルムゲート)によって繋がれている。ディーモンたちの次元〈渾沌の領域〉は、暗黒神によって穢されたレルムゲートを通して繋がれ、定命の領域を荒廃させんと侵入してくるのだ。
死したストームキャストエターナルの魂は、シグマーの魔法と魂鍛冶の業によって天上へと拾い上げられる。何時間、時には何年にも及ぶ苦しみを経て行われるのが〈再鍛〉である。しかし、新たに生まれ変わり鍛え直される度に人間性を失うリスクを背負うため、幾度も<再鍛〉を経た者たちの中には、戦争に対する恐怖が薄れ鈍感になってしまった者も少なくない。炉の激しい熱に晒された彼らは、思いやりや哀れみ、慈悲といった微妙な美徳を見失ってしまうのだ。もっとも、これは彼らが真に恐るべき戦士足らしめる要素でもある。畏怖と恐怖の対象となった彼らは、人間性の大部分を失っており善悪を正しく判断する能力に欠けている。彼らの目に見える世界は白と黒にしか分かれておらず、その中間にあるべき複雑な道徳や倫理観など一切存在しないからだ。
〈定命の諸領域〉のそれぞれと巨大なる神秘の門で結ばれた、この世界の中心。
この地は〈禍つ神々〉の筆頭戦士である”永劫に選ばれし者”「アーケイオン」に数百年に渡って支配され、あらゆる者の侵入を拒む暗黒の城塞である。
旧世界に終焉をもたらしたため、世界の破壊者と呼ばれる。
それ以来、この三つ目の王は渾沌軍の最高指導者として現実世界全土を支配せんと目論んでいる。渾沌の神々から祝福を受けていながらも、どの一神にも恩義を受けていない究極の王者であるため、渾沌の神々は彼の裏切りを恐れ抹殺を試みたこともあったが、アーケイオンはその全てを退けたという。彼は神の手先であることに甘受しておらず、全ての者が彼の足元にひれ伏すまでは完全な勝利であると考えていない。副官として「ヴァラン・ガード」などが補佐しており、この王者の要塞である〈バランパイア〉は、伝説のエイトポイントを支配する堅牢な要塞である。
偉大なる死霊術士「ナガッシュ」は、神に等しい力を持っている。
彼の望みは、〈定命の諸領域〉全てに墓地のような薄ら寒い秩序と意志なき従属による支配だ。〈全シャイシュの神〉を自称する「ナガッシュ」は、人間であったはるか昔から全人類を自身の配下に置くことを願っていた。彼は必ず蘇える。「ナガッシュ」の魂は、彼の最も強固な要塞の石棺へと必ず逃げおおせるようになっており、たとえ何千年かかったとしても復元が終わればすぐに復讐を果たすのだ。
「大きいことは良いことだ」「大きな者が周りの者を支配する」といった非常にシンプルな思考に基づいているオールク社会において、これに逆らう者は二度と忘れないように文字通り体に叩きこまれる。
グリーンスキンの誰もが好む良い喧嘩を求め、今日も彼らは〈グアァァグ!〉の言葉のもとに集結する。